暖房温度を適切に設定して、働きやすいオフィス空間づくりを目指しましょう。
また、適切な暖房温度設定は省エネや節電につながります。
本記事では、オフィスの適切な暖房温度設定やエアコンの効果を高める使い方、節電対策について解説します。
目次
1.法律で定められている適正基準は18℃以上28℃以下
労働安全衛生法の事務所衛生基準規則では、室温の適正基準は18℃以上28℃以下と定められています。
ただし、この基準は努力義務なので違反しても罰則等はありませんが、第四条では『室の気温が十度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。』とされており、これを違反した場合は労働安全衛生法で定める罰則が適用され、法人と代表者には6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることがあります。
2.環境に配慮した暖房時の室温は20℃
環境省が省エネの観点から推奨している暖房時の室温の目安は20℃です。
また、冬の暖房時の温度設定を1℃低くすると約10%の消費電力の削減になるとされています。
※出典:環境省『オフィスでできる節電アクション』
ただし、この基準はあくまで省エネの観点からの基準です。
外気温やオフィスの人数、広さや環境を考慮し、快適な室温になるよう設定しましょう。
3.生産性を上げるにはもう少し暖かく
室温と生産性には相関関係があり、最も生産性の上がる室温は25℃とされています。
20℃前後の室温では手や足の感覚が鈍くなり、タイピングや細かい作業のパフォーマンスが低下し、作業効率が10〜15%程度低下する可能性があるとされています。
25℃以上の高すぎる室温では体温調節にエネルギーを使いすぎて集中力が低下し、ミスが増え、思考力や判断力が鈍る傾向があるとされています。
快適な環境下がもっとも生産性が上がる室温になりますが、快適と感じる温度には個人差がある為、従業員からのフィードバックを受けるようにしましょう。
4.暖房効果を高めるエアコンの適切な使い方
①窓や扉の隙間を塞ぐ
ドアや窓の隙間から冷気が入らないよう、隙間テープを張る、断熱シートを張る等の対策をしましょう。
また、カーテンを閉める事でも窓からの冷気を防ぐことが出来ます。日が落ちる前、早めにカーテンを閉めるのがお勧めです。
②空気の循環を見直す
温かい空気は上に溜まりやすいので、サーキュレーターや扇風機を活用して、温かい空気が部屋全体に行き渡るように循環させましょう。
③断熱材やカーテンの活用
窓に断熱シート貼ることで外からの冷気を防ぐことができます。
また、気温が低下する日没前にカーテンを閉めることで、温まった室内の空気が冷えることを防げます。
④フィルターの清掃
エアコンのフィルターが汚れていると効率が下がります。
定期的に清掃しましょう。
⑤湿度
室内が乾燥していると体感温度が下がります。
加湿器等で湿度を40%~60%程度に保つことで暖かく感じることが出来ます。
加湿器がない場合は、濡れタオル等をハンガーにかけておくだけでも湿度を改善させることが出来ます。
また、空気が乾燥していると感染症のリスクが高まりますので、乾燥しすぎないように注意しましょう。
⑥スポット的に補助暖房を使う
冷えやすい足元ヒーター等個別に補助暖房を活用して、温かく過ごす工夫をしましょう。
5.オフィス環境を整えるメリット
オフィス環境を整えることで、従業員の幸福度と生産性が向上し、企業全体のパフォーマンスにも大きく貢献します。
また、働きやすい環境は従業員のエンゲージメントを高め、定着率を上げる効果もあります。
2023年5月に公開された株式会社帝国データバンク『企業における人材確保・人手不足の要因に関するアンケート』によると、『人手が不足していない要因』TOP3、第1位は『賃金や賞与の引き上げ』で51.7%、第2位は『働きやすい職場環境づくり』で35.0%、第3位は『定年延長やシニアの再雇用』で31.2%でした。第2位にランクインした『働きやすい職場環境づくり』では、清潔保持や休憩スペース、社内相談窓口の設置など働きやすい空間を作ることが人材確保につながるという結果になりました。
出典:株式会社帝国データバンク『企業における人材確保・人手不足の要因に関するアンケート』
【オフィス環境を整えるメリット5選】
①生産性が向上する
適切な温度、照明、騒音レベルの調整により、作業に集中しやすくなり集中力を高めます。
②健康管理とストレス軽減
温度や湿度の管理により、感染症のリスクを軽減することができ、健康的なオフィス空間づくりに寄与します。
スタンディングデスクや休憩スペースの設置は、長時間座り続けることによる健康リスクを軽減することにつながります。
また、
③従業員のモチベーション向上
快適で働きやすい空間の創造により、仕事へのモチベーションを高めます。
④離職率の低下
働きやすさは定着率に影響し、従業員のエンゲージメントを高め離職率の低下に繋がります。
また、魅力あるオフィス環境は、求職者に好印象を与え採用活動にもプラスに影響します。
⑤企業イメージの向上
整ったオフィス環境は顧客や取引先への好印象を与えます。
また、環境に配慮されたオフィスは企業の持続可能性を示し、社会的評価を高めます。
6.まとめ
オフィスの室温は、冬場は22℃~24℃が生産性が上がり快適に過ごせる温度とされています。
オフィス環境を整えることで従業員の幸福度とエンゲージメントが向上し、企業全体のパフォーマンスにも大きく貢献します。
働きやすいオフィス空間づくりを目指しましょう!
ライター紹介
■株式会社アベヤス GDXオフィスラボ編集部
私たちは100年以上地域の企業や学校、自治体のお客様のオフィス環境に必要な商品・サービスを提供し続けてまいりました。
GDXオフィスラボでは次世代の「働き方」「働く空間づくり」をテーマに、ワークスタイルに合わせた空間の創造をご提案しております。
編集部ではオフィスに役立つ情報を発信してまいります!
★☆GDXオフィスラボ公開中!☆★
現在岩手県の多くの中小企業が人材確保の課題を抱えている中で、
ESG経営の推進は欠かすことのできないポイントになってきております。
GDXオフィスラボは、人材課題を解決する糸口となるよう、
最先端技術や社員が働きやすい空間を体験、体感が出来る場所としてショールーム&コワーキングスペースを公開しています。
最新技術を使用した快適なオフィス空間づくりや環境への取り組み、
次世代の「働くの見える化」を追求したデジタルツールやシステムを
GDXオフィスラボへぜひ体感しにいらっしゃいませんか。
岩手でオフィスのリノベーションをお考えの方、
店舗の移転や改装をお考えの方は是非お気軽にお問合せ下さい。