新卒定着率の高い会社はどんな会社?今日からできる中小企業の定着率アップ術

新卒社員の定着率を上げるためには、どんな準備が必要でしょうか?

せっかく入社してくれたからには、長く働いて欲しいですよね。

本記事では中小企業が新卒社員の定着率上げる方法についてご紹介します!

 

目次

 

1.いま新卒の定着率どうなってる?

入社早々退職代行を利用した新卒社員の退職が相次いでいる、、といったニュースを目にすることがありますが、

実際新卒社員の定着率がどれくらいなのか見てみましょう。

●新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移

事業所別

令和5年3月卒の1年目までの離職率は、全体で10.9%、中小企業では9.0%~30.3%、大企業では7.3%という結果でした。

中小企業と大企業では10%の差がありました。

業種別

業種別で見ると、生活関連・娯楽業が最も多く22.9%となり、宿泊業・飲食サービス業など、全体的に接客を伴うサービス業で離職率が高い傾向がありました。

※出典:厚生労働省『新規学卒者の離職状況』(大学、令和5年3月卒のデータを抜粋)

2.新卒定着率の高い会社はどんな会社?

中小企業は大企業より新卒社員の離職率が高い傾向にあることが分かりました。

では人材の定着率が高い会社はどのような会社なのか見ていきましょう。

●新卒定着率の高い会社5選

金融業、保険業

銀行や証券会社などを含む金融業や保険業では、離職率は5.8%と他業種に比べて低い傾向があります。

厚生労働省『賃金構造基本統計調査』によると、令和4年時点では金融業、保険業の新卒社員の初任給は21万8千百円と全体平均21万5千9百円と若干高いという程度でしたが、2025年以降、特に都心部の銀行などでは30万円を超えるなど大幅に引き上げられたというニュースを目にすることが多くなりました。

また、金融業、保険業では取引先が法人で固定客が多く、経営が安定していることも離職率の低さと要因と考えられます。

 

電気、ガス、熱供給、水道業

電気、ガス、熱供給、水道業などのインフラ関連は平成15年の統計調査開始以降、離職率が10%前後と低い傾向にあり、特に令和5年3月卒の新卒社員では4.3%でした。

インフレ関連は需要が安定しており、ノルマなどによりプレッシャーも他業種に比べれば少なく、長く働ける環境にあると言えるでしょう。

また、福利厚生がしっかりしていたり、有給が取りやすいなども要因としてあげられるでしょう。

 

情報通信業

IT、情報通信業は需要が近年需要が急速に高まっており、最先端技術に関われるという魅力が新卒者に人気です。

エンジニアだけでなく、営業、マーケティング、企画、カスタマーサポートなど多種多様な職種があり、文系・理系問わず活躍できる場があります。

また、大手企業が多く福利厚生もしっかりしていることも定着率が高い要因です。

 

製造業

製造業の離職率は5.3%程度です。

製造業は昔からある基幹産業のひとつで、自動車や電機など大手メーカーが多く、比較的雇用が安定しています。

工場では業務がルーティン化されており、慣れやすく働きやすいと言えるでしょう。

また、技術が身に付き長く働くことができ、ベテランも多く社内文化や人間関係も安定しやすい傾向があります。

こういった安定性が高い定着率に繋がっています。

 

卸売業

卸売業の離職率は7.9%程度で、これは「企業対対顧客(BtoC)」の小売業の離職率が14.6%であることからも低いことが分かります。

卸売業は「企業対企業(BtoB)」の取引がメインなので、長期的な取引先が多く、業績が安定しやすいです。

顧客対応がルーティン化しやすく、心理的にも負担が少ないと言えるでしょう。

また、専門性が身に付きやすく、キャリアが築きやすいという点も挙げられます。

 

●定着率の高い会社が実施していること

定着率が高い会社と低い会社では何がちがうのでしょうか?

人材定着率が高い会社が実践していることはどんなことを実施しているか調べてみました。

出典:中小企業庁『2024年版中小企業白書(第2部 環境変化に対応する中小企業 第1章 人への投資と省力化 第1節 人材の確保)

 

中小企業庁『中小企業白書』によると、(1)賃上げ、(2)専門性に応じた業務分担・配置、(3)キャリアプランの明確化について、

中核人材・業務人材が十分に定着していると回答した企業のみを対象に集計を行った結果では、

人材が定着している企業では、いずれの取り組みについても積極的に行っている割合が高く、比較的取り組みが進んでいることが分かりました。

しかし、単に「給料を上げる」、「研修を増やす」だけではなく、働く人が“ここで働きたい”と思える環境づくりが重要です。

3.今日からできる中小企業の定着率アップ術7選

大企業は福利厚生や社内制度の充実、賃上げなどで定着率を上げていますが、

中小企業で同じことをするとなると、コストがかかりすぎ難しいといった場合もあります。

中小企業が今日からできる、人材定着率アップのポイントをご紹介します。

①コミュニケーションの質を上げる

  • 上司と部下の関係性や、チーム内の風通しの良さはとても大切です。

  • 定期的な1on1ミーティングやフィードバック文化があると、安心感や信頼が生まれやすい。

②キャリアパスの明確化

  • 「自分がこの会社でどう成長していけるか」が見えていないと不安になります。

  • スキルマップや昇進・昇給の仕組みを明確に伝えることで、モチベーションが上がりやすい環境を作ることができます。

③適材適所の人員配置

  • 合わない仕事や環境に配属されると、ストレスがたまって辞めやすくなります。

  • 適性検査や性格診断などを活用しながら、社員の「得意」「やりたい」を考慮するのが◎。

④働きやすい環境(制度面+心理面)

  • テレワーク・フレックス・時短などの柔軟な働き方は特に若手世代に効果的です。

  • ハラスメント防止やメンタルヘルス対策も、安心して働ける土台になります。

⑤成果をしっかり認める・称賛する文化

  • 頑張っても評価されないと「やりがい」や「帰属意識」が下がってしまいます。

  • 表彰制度やサンクスカードなど、小さな「承認」が積み重なることで定着につながります。

⑥成長の機会を用意する

  • 社内研修、資格支援、社外セミナーなどで「学べる場」があると、前向きに働くことができます。

  • 特に向上心のある人材ほど、学びの場がないと流出しやすい傾向があります。

⑦企業理念・ミッションの共感性

  • 「自分の仕事が社会にどう役立っているか」を感じられると、離職率はグッと下がる。

  • ビジョンに共感できるような発信や日常的な共有も効果的。

コミュニケーションや企業理念の共有など、今日から始められることもあります。

また、サンクスカードとまではいかなくても、日ごろのちょっとした感謝を伝える、感謝を共有する、褒めることで新卒社員のモチベーション向上につなげることができます。

※関連記事⇒『なぜ中小企業は人材不足なのか?原因と対策について解説

 

4.専門家のアドバイスを受ける

コミュニケーションもしっかり取れているし、社内研修制度も整備している、なのに何故か人が辞めてしまう、、と言った場合もあります。

その場合には、一度自社の状況を可視化してみて、専門家によるアドバイスを受けることがお勧めです。

自分でも思ってもみなかったことが原因で人材不足になっているかもしれません。

株式会社アベヤスの提供する"可視化・伴走型支援"では、中小企業に寄り添ったコンサルティングサービスをご提供しています。

自社の状況の診断やご相談は無料で受け付けておりますので、ご興味のある方は是非お気軽にお問合せください。

 

5.まとめ

今回は新卒社員の定着率アップ術をご紹介しました。

多くの企業で人材不足の課題を抱えている今、賃上げだけでなく、中小企業の強みを生かした柔軟な対応が必要です。

また、自力での解決が難しい場合は専門家の力を借りるのもひとつの手です。

 

 

 


ライター紹介
■株式会社アベヤス  GDXオフィスラボ編集部

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