IT人材不足が解決しない原因は?中小企業の人材確保はどうするべき?

経済産業省の試算によれば、IT人材は2030年に79万人が不足すると言われています。
そのような状況の中、2025年3月5日、経済産業省から新たにサイバーセキュリティ産業振興戦略が発表されました。
10年以内にサイバーセキュリティ産業における国内企業の売上高を、足下の約0.9兆円から約3兆円超に増やすことを目指すとしています。
IT人材不足が解決しない中、中小企業はどのような対策を取ればよいのでしょうか。
本記事では、IT人材不足と中小企業の取るべき対策について解説します。
目次
1.2030年にはIT人材が79万人不足する
IT人材が不足しているというニュースはよく見ますが、今後実際にどれくらい不足していくかご存知でしょうか。
経済産業省の『IT人材需給に関する調査』によると、IT需要が今後拡大する一方で、我が国の労働人口(特に若年人口)は減少が見込まれ、IT 人材の需要と供給の差(需給ギャップ)は、需要が供給を上回り、2030年には最大で約79万人に拡大する可能性があると試算されています。
2.なぜIT人材が不足しているのか
①少子高齢化と労働人口の減少
少子高齢化による人口減少の影響
総務省統計局『 統計ダッシュボード 人口ピラミッド』のデータによると、2025年の日本の人口は約1億2300万人、そのうち生産年齢にあたる15歳~64歳の人口は59.3%、7309万人ですが、2050年の日本の人口は約1億400万人、生産年齢人口は5538万人となり、2025年と比較して生産年齢人口が1771万人も減少してしまいます。
出典:総務省統計局『 統計ダッシュボード 人口ピラミッド』を基に画像作成
就業人口の頭打ち
生産年齢人口の減少を補うために、高齢者や子育ての為一度仕事から離れた女性の再雇用が推進されてきましたが、中小企業庁より2024年5月に公開された『2024年版中小企業白書・小規模企業白書概要』によると、就業人口の頭打ちによる人材の供給制約に直面していると言われています。
総務省より公開されている『労働力調査 基本集計(調査年:2023年)』から上図就業率の推移を確認してみました。
特に65歳以上の就業率が2019年以降ほぼ横ばいになっており頭打ちであることが分かります。
生産年齢の女性の就業率は増加傾向にありますが、子育て世帯の女性就業率は子どものいない世帯よりも低い水準にあり、まだまだ環境整備が必要な状況が伺えます。
※参考:内閣府『第3章 女性の就業と出生を巡る課題と対応 第1節』
※関連記事⇒『なぜ中小企業は人材不足なのか?原因と対策について解説』
②IT需要の高まり
近年の日本は、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI、クラウド技術の進展により企業のIT需要が急増しており供給が追いついていない状況にあります。
総務省の『令和6年版 情報通信白書/第1章 ICT市場の動向/第1節 ICT産業の動向』によると、世界のICT市場(支出額)は、スマートフォンやクラウドサービスの普及などにより、2016年以降増加傾向で推移している。2023年は657.3兆円(前年比10.3%増)と大きく増加し、2024年は702.1兆円まで拡大すると予測されています。
2022年頃から急速な伸びが見られ、円安による影響も大きいとされていますが、IT業界の市場規模の拡大による影響も大きいと見るべきでしょう。
※ICTには、利用者の接点となる機器・端末、電気通信事業者や放送事業者などが提供するネットワーク、クラウド・データセンター、動画・音楽配信などのコンテンツ・サービス、さらにセキュリティやAIなどが含まれる
※出典:『令和6年版 情報通信白書/第1章 ICT市場の動向/第1節 ICT産業の動向』
③IT業界のネガティブイメージ
IT業界は、残業が多い、納期が厳しい、激務のわりに給与が低いといったネガティブイメージが強いのではないでしょうか。
厚生労働省の『2020年度調査 IT業界の働き方に関する経年変化と新型コロナウイルスの影響調査』によると、IT業界の平均所定外労働時間は19.5時間、そのうち10~19時間が38.4%、20~29時間が33.7%という結果でした。
同じく厚生労働省の『毎月勤労統計調査(令和6年12月分結果確報)』によると、一般労働者の平均所定外労働時間は14.1時間となり、平均よりも確かに残業時間は多くなっています。
特に中小の下請け企業では激務になりがちなケースも多く、人材が定着しづらい環境にあると言えるでしょう。
出典:厚生労働省『2020年度調査 IT業界の働き方に関する経年変化と新型コロナウイルスの影響調査』
④スキルのミスマッチ、教育と育成の遅れ
中途採用では、企業が求めるスキル(AI、クラウド、セキュリティ等)と求職者の持つスキルにズレがあり、雇用に繋がらないというパターンもあります。
これまでのITスキルから新しい技術への移行が追いついていないということも背景にあります。
また、日本の教育機関では実践的なプログラミングやITスキルの教育が不足している、企業の研修制度も十分でない場合も多く、新卒採用でもひとが育たない、定着しづらい環境がうかがえます。
3.中小企業の実態は?
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の『DX動向2024』によると、DX を推進する人材の「量」の確保状況について、2021年度調査と比較して、「大幅に不足している」(62.1%)の増加が著しく、人材不足は深刻化していることが分かりました。
また、DXを推進する人材の「質」の確保についても「大幅に不足している」と回答した企業が58.1%という結果でした。
近年のDXの高まりにより不足感が増していることや、そもそも慢性的な人材不足の状況にあり、IT人材の確保が厳しい状況にあることがうかがえます。
※出典:IPA『DX動向2024』
4.中小企業が取るべきIT人材確保のための戦略
このような状況の中で、中小企業がIT人材を確保していくことは非常に難しいと言わざるを得ないでしょう。
中小企業が優秀な人材を確保するには、大企業とは違うアプローチが必要です。
特に 「採用の柔軟性」「働きやすさ」「スキル育成」 を強化することが人材確保のカギになります。
①魅力的な採用条件の提示
高水準の給与提示が難しい場合でも、リモートワークやフレックス制度などの導入により、働きやすい環境を整備することで魅力的な採用条件を提示することができます。
近年の求職者は、給与よりもやりがいや働きやすさを求める傾向にあり、そういった取り組みは評価されやすい環境にあります。
②フルタイム採用以外にも裾野の拡げる
フルタイム採用が難しい場合はフリーランス、パートタイムや副業エンジニアを活用しましょう。
子育て中やフリーランスを希望している場合、時間に融通の利く形態が望まれる場合もあります。
採用プラットフォームを副業・フリーランス向けのサイトなどにも裾野を拡げてみましょう。
③社内のリスキリング
社内勉強会やIT研修を実施し、既存社員をIT人材に育成する方針もひとつの手です。
例えば、営業担当にCRM活用スキルを学んでもらう、経理担当にRPAを活用した業務自動化を学んでもらうなどがあります。
近年はオンライン学習も容易に行うことができますので、業務の一環として研修を取り入れることも行えます。
④ノーコードツールの活用
近年、エンジニアの負担を減らすためにノーコードツールが広く活用されています。
エンジニアのような専門知識がなくても、ワークフローや業務管理、人事・給与管理、経理・請求管理などの業務を誰でも簡単にデジタル移行することができます。
5.専門家による伴走支援
IT人材の確保も進まない中で、「パソコンが動かなくなった」「急に前任者が辞めてしまいエクセルをいじることができない」「セキュリティ面が不安」などの急な困り事が発生する場合もあると思います。
株式会社アベヤスの提供する伴走支援は、中小企業に寄り添ったサービスとなっており、お客様ご自身ではなかなか気づきにくい事業や商品の強み、業務効率化ポイント、経営の課題までを可視化し、そこからそれらの解決の計画と実行、必要なツールの選定とご提供、改善策実行後の効果測定までを伴走型でご支援します。
支援ツール (例)アイコンカルテ
アイコンカルテは、オフィスのIT機器の健康状態を診断し、オフィスに潜む様々なリスクをカルテとして可視化するサービスです。診断結果をもとに、トラブルを未然に防ぐことができます。
さらにとっさのお困りごとに対応するパソコンの操作やトラブル時の遠隔サポートおよび専門技術者派遣もご利用いただくことができます。
詳細は株式会社アベヤスのホームページをご確認ください。
6.まとめ
本記事ではIT人材が不足している現状と中小企業が取るべき対策をご紹介しました。
少子高齢化による労働人口の減少など様々な要因から、今後もIT人材不足が続くと予測される中、中小企業が人材を確保するためには大企業とはちがう柔軟なアプローチが必要になります。
また、株式会社アベヤスの提供するアイコンサービスは専門家からの伴走支援のほか、とっさの困りごとに対応してくれるサービスも充実していますのでお勧めです。
気になる方は是非お気軽にお問合せくださいませ。
ライター紹介
■株式会社アベヤス GDXオフィスラボ編集部
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