【冬の節電対策おすすめ5選】中小企業向けの節電方法とメリットは?
夏に比べて冬は電気代が高くなる傾向があります。
電気代等の固定費を見直すことは、利益の増加に繋がります。
本記事では冬におすすめの節電対策と、中小企業が節電に取り組むことで得られるメリットを解説します。
1.夏と冬の電気代はどちらが高い?
夏はエアコンをつけっぱなしにしていたり、電気代が高くなる印象がありますが、夏と冬の電気代を比較すると、実は冬の方が電気代が高くなる傾向があります。
出典:政府統計の総合窓口『家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果発表』
総務省統計局の家計調査の総世帯平均の夏の電気代(7月~9月)と冬の電気代(1月~3月)を比較すると、冬の方が2,884円高くなっていることが分かります。
2.なぜ冬の方が電気代が高いのか?
①エアコン代は冬の方が高い
外気温の差が大きくなる冬の方が、夏よりもエアコンにかかる電気代が高くなる傾向があります。
②日照時間
冬は日照時間が短い為、照明を使用する時間が夏場よりも多くなります。
また、日が沈むと一気に気温が下がり、エアコンなどの暖房費がかさみます。
3.冬におすすめの節電対策5選
①窓の断熱対策
- 断熱シートやカーテンを使用:
窓から熱が逃げやすいため、断熱シートや厚手のカーテンを取り付けて熱を逃がさない工夫をしましょう。 - 隙間テープ:
ドアや窓の隙間に断熱テープを貼ることで、冷気の侵入を防ぎ、暖房効率を高められます。
②暖房器具の温度設定を見直す
- エアコンは控えめな設定温度に:
エアコンの温度を1〜2℃下げることで、消費電力を抑えられます。一般的には20℃前後が目安です。
厚生労働省の労働衛生基準では、事務所の気温の努力目標値は18℃以上28℃以下とされています。
無理のない範囲で設定温度を見直しましょう。
※参考:厚生労働省『ご存知ですか?職場における労働衛生基準が変わりました』 - 扇風機やサーキュレーターを併用:
暖気が上に溜まるので、空気を循環させることで暖房効率が向上します。
③事務所の湿度を保つ
- 加湿器を使う:
湿度を50〜60%程度に保つと、体感温度が上がり、低めの暖房設定でも暖かく感じられます。
事務所等の広い空間で使用する場合、業務用加湿器の使用がおすすめです。
冬は乾燥によりウイルスが繁殖しやすくなっており、集団感染のリスクを低下させる為にも加湿を行いましょう。 - 水を入れた容器を置く:
加湿器がない場合、水を張った容器や濡れたタオルを干すだけでも湿度を上げる効果があります。
④暖かい服装で過ごす
- 重ね着やフリース、スリッパの活用:
暖かい服装をすることで、室温が低めでも快適に過ごせます。 - ブランケットや膝掛けを活用:
体を部分的に暖めると、全体的な暖房を控えめにできます。
⑤時間帯を意識した電力使用
- 電気使用の少ない時間帯を利用:
夜間や早朝のピーク時間帯を避け、なるべく昼間の暖かい時間帯に電力使用を集めると効果的です。
4.中小企業向けの節電方法
オフィスの消費電力のうち、空調が33.5%、照明が29.8%で合わせると約63%になります。
これらの消費電力を抑える対策をすることで、効果的な電気代の削減を実現することが出来ます。
※出典:経済産業省『冬季の省エネ・節電メニュー』
①在宅勤務の活用
一部の従業員が在宅勤務可能であれば、オフィスでの電力消費を抑える手段として検討するとよいでしょう。
②節電の習慣化
社員が帰宅時に不要な照明や暖房を消すよう、節電意識を啓発しましょう。ポスターやチェックリストを掲示するのも有効です。
③照明のLED化
電力消費の少ないLED照明に切り替えることで、長期的な電気代の削減に繋がります。
LEDと白熱電球の電気代の比較
電気料金の単価は地域や契約によって変動しますが、「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」よると、電気料金の目安単価は31円/kWhと発表されています。
この目安単価をもとに40形相当、消費電力4.7wのLED電球と40wの白熱電球を1日あたり8時間使用した場合の電気代を比較してみましょう。
1日あたり8時間、電球1個を1か月使用したとすると電気代はそれぞれLED電球で36円/月、白熱電球で268円/月となります。
電球1個あたり月額232円の電気代を削減でき年間では2,784円になります。
オフィスの照明をLEDに入れ替えることで電気代を大きく削減することができます。
※関連記事『【2027年問題】蛍光ランプがなくなる!オフィス照明をLED化するメリットは?LED照明導入に使える補助金とともに解説』
5.中小企業が節電に取り組むメリット
中小企業が節電に取り組むことは、電気代の削減だけでなく、さまざまなメリットをもたらします。
① コスト削減による利益率の向上
- 電気代の節約:
特に冬場は暖房費がかさむため、節電によるコスト削減効果が大きくなります。
限られた予算で経営している中小企業にとっては、節電によるコストカットがそのまま利益率の向上につながります。 - その他の経費削減:
節電意識の高まりとともに他の資源(例えば水道やガス)の節約も進むため、全体的な運営コストの削減が期待できます。
② 持続可能な経営と企業イメージの向上
- 環境配慮への貢献:
節電はCO₂削減やエネルギー資源の節約につながり、持続可能な社会に貢献することができます。
企業の環境配慮への取り組みは、取引先や顧客からの評価を高め、信頼を築く要素にもなります。 - SDGs(持続可能な開発目標)への貢献:
中小企業でも、SDGsへの関心が高まっています。
節電は「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」など、SDGsの複数の目標に寄与する行動です。
③ 従業員の意識改革と働きやすい職場作り
- 従業員のエコ意識向上:
節電への取り組みを通じて、従業員の環境や資源への意識が向上し、持続可能な行動が習慣化されるようになります。
また、社員一人ひとりが節電に参加することでチームの一体感が生まれ、企業文化の向上にもつながります。 - 健康的な職場環境の促進:
適切な温度管理や空気循環を意識した節電は、健康的で快適な職場環境を保つ一助になります。
④ 電力不足リスクへの対応
- 電力供給不足のリスク回避:
近年の電力供給の逼迫は企業活動に大きな影響を与える可能性があり、特に中小企業は供給不足の影響を受けやすくなります。
節電を習慣化することで、災害や停電等、急な電力供給の制限があった際にも影響を最小限に抑えられます。
⑤ 節税・補助金などの経済的メリット
- 省エネ関連の補助金や税制優遇:
エネルギーの効率的な使用を推進する国や地方自治体の補助金や助成金、節税制度を利用できる場合があります。
これにより節電対策の初期コストを軽減しながら、長期的な節電効果を得ることが可能です。
節電はESG経営のE(環境)に繋がる活動です。
今、大企業にはESG経営の情報開示が義務付けられており、大企業のサプライチェーンに属する中小企業にも同様にESGへの対応が求められています。
節電への取り組みを対外的にも情報発信していくことで他社との差別化ができ、市場競争力強化やステークホルダーからの信頼獲得等、様々なメリットを得ることが出来ます。
ESG経営とは?
ESG経営とは、企業が環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を考慮した経営方針を採用することです。
ESG経営では従来の利益追求型の経営に加え、持続可能な社会の実現を目指すことが重要視されています。
- 環境(Environment)・・・温室効果ガスの削減や再生可能エネルギーの活用、脱炭素経営の取り組み等
- 社会(Social)・・・労働環境の改善や働き方改革などの人的資本経営の実施、地域社会への貢献等
- ガバナンス(Governance)・・・コンプライアンスや経営の透明性、情報セキュリティの強化等
これらの取り組みにより企業は、顧客や取引先、従業員等のステークホルダーからの信頼を得ることができ、持続可能な成長に繋がります。
※関連記事『岩手県の製造業が取り組むべき中小企業のESG経営』
6.中小企業におすすめのサステナビリティな電気プラン
企業が節電に取り組むメリットの一つは、環境への取組をアピールできることです。
節電を心がけても電気の使用を完全になくすことは出来ませんが、CO2排出量を実質ゼロにすることは出来ます。
それが非化石証書の利用です。
2018年から電力供給者や企業などの需要家向けに非化石証書の取引が始まりました。
非化石証書とは、再生可能エネルギーなどの非化石エネルギー源から生産された電力を証明するための制度です。
購入する電気に非化石証書の環境価値を付帯することで、実質再エネ100%の電気を購入することが出来ます。
日本では以下の目的で使用されています。
・非化石エネルギーの利用促進
再生可能エネルギーや原子力発電など、化石燃料を使わないエネルギー源の利用を促進するために用いられます。
・電力供給者の義務履行
電力会社は一定量の非化石エネルギーを利用する義務があり、この証書を利用することでその義務を証明します。
・環境貢献の証明
企業や自治体が環境への貢献を示すために、この証書を取得し、CO2排出削減に寄与していることを示します。
非化石証書を利用することでCO2 排出量を削減できるだけでなく、対外的にも環境への取組をアピールすることが出来ます。
参考:経済産業省資源エネルギー庁『2018年5月から始まる「非化石証書」で、CO2フリーの電気の購入も可能に?』
【オススメ】非化石証書付プランの電気を購入できる電力会社
エレノバ 地球にやさしい電気
非化石証書の環境価値を付帯された実質再エネルギー100%の電気を購入することができます。
※出典:Elenova『地球にやさしい電気』
5.まとめ
冬は光熱費がかさむ季節ですが、節電はCO2排出削減につながり環境に優しくさらに対外的にもESG経営の推進をアピールできます。
また、購入する電気も非化石証書が付帯されたもの等環境配慮型プランにすることで、実質CO2の排出量をゼロにすることも可能です。
環境への取り組みをアピールすることで他社との差別化も出来、中小企業にとって多くのメリットがあります。
当社ではオフィスの節電や電気の環境配慮型プランのご紹介をしています。
是非お気軽にご相談下さいませ。
ライター紹介
■株式会社アベヤス 佐々木 葵
農業機械業界、移動体通信業界を経て2024年に株式会社アベヤスに入社しました!
広報歴は合計3年程になります。
ゆるキャラの中の人としてSNSを運用したり、社内報を作っておりました。
GDXオフィスラボからオフィスの空間づくりに役立つ情報をどんどん発信してまいります!
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ESG経営の推進は欠かすことのできないポイントになってきております。
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