世界ではESG情報開示の基準が整備され、様々なESG格付けがすでに普及しています。
日本でもESG投資は急激に伸びており、今後は中小企業にもESG情報開示の波は広がっていくでしょう。
ESGのE(環境)の部分、近年企業の環境問題への取組が注目されています。
各企業が環境に配慮した取り組みを行う中で、すぐに始められるもの、継続しやすいものとして注目されているのが節電です。
本記事ではオフィスにおすすめの節電方法についてご紹介します。
目次
1.オフィスの電力消費の内訳は?
オフィスの消費電力のうち、空調が48.6%、照明が23.1%で合わせると約72%になります。
PCは6.6%、複合機は7.3%となっており、オフィスの節電において有効なのは空調と照明ということになります。
※出典:経済産業省資源エネルギー庁『夏季の省エネ・節電メニュー』
また、9時から19時頃の電力消費が高くなる傾向があり、時間帯をずらすことも節電に繋がります。
近年では夏場の出社時間を早めるサマータイムを導入している企業も増えています。
※出典:経済産業省資源エネルギー庁『夏季の省エネ・節電メニュー』
2.オフィスにおすすめの節電3選
①適切なエアコンの温度設定
以前はエアコンの設定温度は28℃が推奨されていましたが、現在は涼しく快適に過ごせる温度に設定するのが正解と言われています。
労働衛生基準で労働者が常時就業する室の気温の努力目標値は18℃以上28℃以下と定められています。
※出典:厚生労働省『ご存知ですか?職場における労働衛生基準が変わりました』
また、ブラインドやすだれを活用して日中の日射を遮ることで、室内温度の上昇をある程度防ぐことが出来ます。
エアコンの温度を下げる前に、ブラインドを下げるなどの工夫をしてみましょう。
経済産業省資源エネルギー庁の『夏季の省エネ・節電メニュー』によると、室内温度を26℃から2℃上げた場合、4.1%の節電効果があるされています。
熱中症にならない範囲で室内温度を上げる、使っていないエリアのエアコンを消すなど、無理のない範囲で節電に取り組みましょう。
②クールビズ
クールビズも節電に有効です。
クールビズとは、平成17年から政府が提唱している、過度な冷房に頼らず様々な工夫をして夏を快適に過ごすライフスタイルのことで、温度に適した軽装などの取組がされています。
クールビズのポイントは3つです。
・気温に合わせた柔軟なスタイル
無理のない範囲で冷やしすぎない冷房管理がポイントです。
冷房を使わないのではなく、過度な冷房に頼らないことが大切です。
・健康につながるクールビズ
近年、夏の猛暑日が増加傾向になっています。
外気温と室内温度の差が大きくなると、自律神経やホルモンバランスを崩しやすくなったり、
冷房により汗をかかなくなることで汗腺が退化して体温調整機能が働かなくなってしまう等の健康への影響もあると言わています。
体と環境に優しいクールビズを心がけましょう。
・熱中症予防
近年、熱中症による救急搬送人員も増加傾向にあり、毎年数万人を超える人が搬送されています。
適切な服装やエアコンの使用、水分・塩分補給などを心がけましょう。
※出典:環境省『令和6年度クールビズについて』
③照明の間引き、LED化
経済産業省資源エネルギー庁の『夏季の省エネ・節電メニュー』によると、会議室、廊下など使用していないエリアの消灯や執務室の照明を半分程度間引きすることで、約15%の節電効果があるとされています。
照明を間引く際の注意点としては、暗すぎると目に負担をかけてしまい、健康にも悪く生産性も落ちてしまいます。
労働安全衛生基準で一般的な事務作業に必要な照度は300ルクス以上、付随的な事務作業では150ルクス以上と定められています。※
快適な作業空間は確保しつつ、可能な範囲で間引くようにしましょう。
※出典:厚生労働省『ご存知ですか?職場における労働衛生基準が変わりました』
また、LEDはエネルギー効率が高く、従来の蛍光灯から直管型LED照明に交換した場合、約50%の消費電力を削減することができます。
※関連記事⇒【2027年問題】蛍光ランプがなくなる!オフィス照明をLED化するメリットは?LED照明導入に使える補助金とともに解説
3.オフィスで節電対策に取り組むポイント
①全社員で取り組む
一部の少人数で節電対策を行ってもあまり効果は期待できません。
全社員でしっかりとルールを作って取り組むことが効果的です。
社内に節電に関する掲示をする、昼休憩時間は消灯するなど、全社員で取り組むようにしましょう。
②補助金を活用する
照明のLED化や省エネのエアコンへの切り替えには、政府や自治体の省エネ対策に関する補助金が適用される場合があります。
補助金を活用することで場合によっては1/2の補助を受けることが出来、お得に節電をすることができます。
※関連記事⇒【2027年問題】蛍光ランプがなくなる!オフィス照明をLED化するメリットは?LED照明導入に使える補助金とともに解説
4.非化石証書の利用
企業が節電に取り組むメリットの一つは、環境への取組をアピールできることです。
節電を心がけても電気の使用を完全になくすことは出来ませんが、CO2排出量を実質ゼロにすることは出来ます。
それが非化石証書の利用です。
2018年から電力供給者や企業などの需要家向けに非化石証書の取引が始まりました。
非化石証書とは、再生可能エネルギーなどの非化石エネルギー源から生産された電力を証明するための制度です。
購入する電気に非化石証書の環境価値を付帯することで、実質再エネ100%の電気を購入することが出来ます。
日本では以下の目的で使用されています。
・非化石エネルギーの利用促進
再生可能エネルギーや原子力発電など、化石燃料を使わないエネルギー源の利用を促進するために用いられます。
・電力供給者の義務履行
電力会社は一定量の非化石エネルギーを利用する義務があり、この証書を利用することでその義務を証明します。
・環境貢献の証明
企業や自治体が環境への貢献を示すために、この証書を取得し、CO2排出削減に寄与していることを示します。
非化石証書を利用することでCO2 排出量を削減できるだけでなく、対外的にも環境への取組をアピールすることが出来ます。
参考:経済産業省資源エネルギー庁『2018年5月から始まる「非化石証書」で、CO2フリーの電気の購入も可能に?』
【オススメ】非化石証書付プランの電気を購入できる電力会社
エレノバ 地球にやさしい電気
非化石証書の環境価値を付帯された実質再エネルギー100%の電気を購入することができます。
※出典:Elenova『地球にやさしい電気』
5.まとめ
電気量削減はもちろんですが、節電はCO2排出削減につながり環境に優しく、さらに対外的にもESG経営の推進をアピールできます。
また、購入する電気も非化石証書が付帯されたもの等の環境配慮型プランにすることで、実質CO2の排出量をゼロにすることも可能です。
サプライチェーンを取り巻く環境では、中小企業にもCO2の排出量削減への取組が求められています。
選ばれる企業になるためにも節電に取り組んでいきましょう!
当社ではオフィスの節電や電気の環境配慮型プランのご紹介をしています。
是非お気軽にご相談下さいませ。
ライター紹介
■株式会社アベヤス 佐々木 葵
農業機械業界、移動体通信業界を経て2024年に株式会社アベヤスに入社しました!
広報歴は合計3年程になります。
ゆるキャラの中の人としてSNSを運用したり、社内報を作っておりました。
GDXオフィスラボからオフィスの空間づくりに役立つ情報をどんどん発信してまいります!
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